第二章・告白という名の爆弾

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「あの、谷橋のくそ野郎が~! 俺だけ宿題提出してないからって、俺に復習プリント二枚も渡しやがって~!」 日曜日の朝の十時半、俺は自室で谷橋の奴に渡された難問の英語復習プリントをやっていた。 なぜ勉強(とくに英語)嫌いの俺が英語をやっているかって? 一昨日の金曜日、英語の授業の時、俺だけ宿題を提出してなかったから、追加分として復習プリント二枚も渡されて、出来なかったら一週間アイツ付きの補習を受けなければならない。 正直に言ってふざけんなってものすごく言いたい。 俺は英語も嫌いだが谷橋の野郎も嫌いだ。本気でどっか行ってくれ。北海道か沖縄の学校にでも移れ、そして二度と戻って来るなって思う。 ちなみに俺は今一枚目の半分しか出来てない。問題数一枚、四十問もある。 本気でヤバい。 明日まで間に合うかすらわからん。 本気で忌ま忌ましいぞ、あのくそ野郎 「はあー……こんな時に、絵梨達は買い物に出掛けているから誰もいないんだよな……。」 そう、俺が起きた時には、沢谷姉妹はいなくて台所の机の上に紙があって、「買い物に行ってきまーす。」と書かれてあった。 で、現在俺の家には俺一人しかいない。 「はあ、博文の奴に電話しようと思ったけど、アイツ起きてないだろうな。」 博文は休日の朝に非常に弱くて昼にならないと起きない。 朝起きるとかなり不機嫌で誰にも口を開かない事が多い。 「どうしよう……アイツとの補習は死んでも嫌だしな……。」 そんなことを呟いていたら、急に俺の携帯が鳴りはじめた。
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