11人が本棚に入れています
本棚に追加
「で?何の用?」
「今日仕事終わったら家来ない?旦那が出張でいないからさ、たまには飲もうよ」
「ごめんね、今日は予定あるんだ」
断ると、潤ちゃんは呆れたように大きなため息をついた。
多分、断る理由を分かってるからだと思う。
「織枝~、まさか今年も例の公園に行くつもりじゃないでしょうね?」
私は何も言わずに曖昧に笑っておいた。
怒られるかな、と思ったけど、潤ちゃんは意外と穏やかな口調で言った。
「いい加減夢みたいな事言ってないで、ちゃんと現実見なきゃダメだよ?夜彦君に会える訳ないんだから」
穏やかだけど、言ってる言葉には痛い程トゲが含まれている。
言いたい事は分かる。
6年間、毎年言われてる事だから。
でも…。
「分かってる。でも、信じてるから」
「全く…あんたって昔から頑固だもんね。分かったよ」
頑固と言われて思わず吹き出した。
昔、夜彦にも言われた事があったのを思い出す。
最初のコメントを投稿しよう!