七夕の奇跡

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「で?何の用?」 「今日仕事終わったら家来ない?旦那が出張でいないからさ、たまには飲もうよ」 「ごめんね、今日は予定あるんだ」 断ると、潤ちゃんは呆れたように大きなため息をついた。 多分、断る理由を分かってるからだと思う。 「織枝~、まさか今年も例の公園に行くつもりじゃないでしょうね?」 私は何も言わずに曖昧に笑っておいた。 怒られるかな、と思ったけど、潤ちゃんは意外と穏やかな口調で言った。 「いい加減夢みたいな事言ってないで、ちゃんと現実見なきゃダメだよ?夜彦君に会える訳ないんだから」 穏やかだけど、言ってる言葉には痛い程トゲが含まれている。 言いたい事は分かる。 6年間、毎年言われてる事だから。 でも…。 「分かってる。でも、信じてるから」 「全く…あんたって昔から頑固だもんね。分かったよ」 頑固と言われて思わず吹き出した。 昔、夜彦にも言われた事があったのを思い出す。
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