プロローグ

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<勉強や受験のことは娘に任せていました。私は勉強が出来るほうではないので……。中学のときの担任の先生からは、某有名進学校にも入学できるだろうと言われていたので私はてっきり……。この子が新しく出来たこの学校を受験するって言ったときは驚きましたけど、この子が選んだので。それにこの学校は設備も充実しているみたいですし、先生方も優秀な方ばかりと聞いています。あ、それから――> <お母さん!> <と、このように!はい、えー……お母さんも大絶賛の七海学園高校!この後私の後ろに見える体育館で第一期生となる新入生たちの入学式が行われます――> 「ただいまー」 <まだ花びらの残る桜が新入生たちを迎える今日、みなさん晴れやかな顔で体育館へと向かっています。> 「おかえり」 リビングでソファーに座ってテレビを見ていた母親が美帆子の声に答えた。 「何、また見てるの?」 リビングを覗き、にっこりと笑う自分たち親子の顔が映し出されたテレビ画面をチラッと見て美帆子が言った。
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