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「ふう……」
鞄を机の横に置くと、美帆子はドスンとベッドに腰を下ろした。
この春から通い始めた七海学園高校は家から自転車で30分。
目指す大学がはっきりしているため部活動はせず、その分自転車で通学することで運動不足を補うことにしたのだ。
中学のときはバスケットボール部に入っていたが、どうも上達している気がしなかった。
たまに予期せずいいプレーができたときは嬉しかったが、先輩からも先生からもほとんど褒められたことなどなかった。
ドリブルをすればすぐにボールを奪われ、ディフェンスをしても相手に追いつけず簡単にゴールを許した。
ボールを持ったら2歩しか歩けないのに歩数がうまく数えられず3歩いてしまい、
ならばとパスで繋ごうとすると焦って周りが見えず相手にパスをしてしまった。
あの時のみんなの顔……。
入学してまもなく、バスケ部を作るから一緒にどうかと誘われたがもう一度やってみようという気にはなれなかった。
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