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「あなたは本当は、
この世界の生き物ではございません」
なにを言ってるのかが
全くわからない。
だってあたしは現にこの家で生まれ育ったわけだし、
そんなファンタジックなことを信じられる訳がない
「ちょっと…言ってることがよくわからないんですけど…」
おずおずと言い出すと、
少しむっとした顔の彼は淡々とした口調で説明し始めた
「まさか世界がここただ一つだなんて思っていらっしゃるのですか?
それはとんだ思い込みにしか過ぎませんよ。
私たちはリアリティア、という世界の生き物なのですよ」
…なんだか頭が痛くなってきた
やっぱりこれは夢なんだろうか
でも夢ならば頭が痛くなるなんてないのだろうから、
現実として認めざるを得ないのだろうか…
「リアリティアは龍王がお造りになった世界です
霊山フローロに見守られ広がる大地は美しく豊かで、水の神殿メルネドを包む海は優しく穏やか
双方に生きる命すべてがその一生を謳歌します
フローロの山頂には風の妖精王フロルが、
メルネドには水の妖精王シラがいらっしゃいます
龍王に自治を任されたそれぞれの妖精王によって、私達は豊かな暮らしを約束されました」
ちんぷんかんぷんである。
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