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南に位置する国、テセティアーデ。美しい緑が生い茂る広野を越えたその最南端に、大きな城が存在する。
その城の、ある一層……広く長い廊下を1人の少年が歩いていた。
桃色にも見える赤く短い髪……そこからぴょんと出た一房の髪が愛らしい。
「やっぱり……僕1人で行くしかないか」
少年は深い緑色の瞳を更に深く陰らせながら、長いため息をついた。そしてゆっくり、上へと視線を向ける。
その瞳には、大きな肖像画が映っていた。
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