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『もう、おにいちゃんってば、起きないと――』
それ以上聞くと、なんだか危険な気がしたので急いで止める。
「ヤンデレ妹目覚まし時計とか恐ろしくピンポイントすぎるわ」
丁寧にツッコミを入れ、ムクリと立ち上がる。
歯を磨いて、朝飯食って、着替えて。
いつも以上にいつも通りだった。
今日から晴れて高校2年だが、日常が激変するわけでもない。
少しずつ、少しずつ、変わってはいくものの、それは変化というにはあまりにも緩慢すぎて、あまりにも頼りがない。
しかし、それでいい。
俺は普通がいい。平和が好きだ。
そりゃもう、愛の領域まで達しているわけだ。
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