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「早くその包丁を拾って、わたしの胸に突き立てて」
「黙れ貧乳」
さっさと教室に避難したいところだが、善と包丁をこのまま放置していくのも気が引けるので彼女が凶器を拾い上げる前に没収。自殺志願者の陰鬱な顔が更に曇ったが気にはしない。
この調子だと遅刻しそうなので、善の腕を掴んで三階の教室まで運んでいった。彼女の物憂いた瞳が非難の色を見せていたが、そんなのは当然無視である。
「今日も一日、平和でありますよーに」
どうせ叶わない願いを言葉にして吐き捨てた。日常のはじまりである。
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