0人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
あなたっていつもそう
なんつーかさ、
毎回同じことするよね。
気に入らないことがあると
すぐにあなたは拗ねて
私の大事なものを隠す。
「みーつけた」
「う~…」
「帰りますよ」
不機嫌そうなあなたが可愛くて、
私はあなたが尖らせている唇に
優しくキスをした。
沢山の愛しい、を込めて
「ほら、ね?」
差し伸べた手をあなたが
おずおずと握る
「んふ、顔真っ赤」
「うっさい!」
そう言ってあなたは悪態つくけど、全然怖くない。
むしろ可愛くてしかたがない。
二人で手を繋ぎ夕陽を背に歩く。
「ね、今日見た?」
ニコニコしながらあなたは私に問いかける。
もう機嫌治ったの?
嬉しそうに聞くあなたはやっぱり可愛い。
「何をよ」
「虹!」
「あぁ、見てない」
だって、大切な大切な一番大事なものを探していたからね。
「ざんね~ん!綺麗だったのになぁ」
「いいの。それより綺麗なもんがすぐそばにあるから。」
「なにそれ、負け惜しみ?」
クスクス笑いながらあなたが聞く
「私の1番大事なものだよ」
そう言うとあなたは
興味津々に「なになに!?」
なんて聞いてくるけど
「…内緒。」
あなたには言えないかな、
だってそれは、
「それより早く帰ろ。腹減った。」
「え~、誤魔化す気ぃ?」
目の前にいるあなただから
〆
最初のコメントを投稿しよう!