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『今日も病院内を内緒でお散歩だ~♪』
僕は樹奈。
じゅなって読むんだ。
あ、勿論女のコだよ♪
ずっと病院暮らしで退屈な毎日からちょっとでも解放される為に毎日病院をお散歩し回っているんだ。
「………て…!」
「言………ぞ…。」
ん?話し声??
僕が集中治療室がある角を曲がった瞬間だった。
「冗談じゃないわよ!!子供のために体切るなんて!!」
え…?
「昔からあの子、友達も作らず何考えてるかわからないし、あなたにも馴染まなかったでしょ?」
あの子…?
あの子って、誰?
「私だけじゃないわ、誰もあの子がそこまでして生きることを望んじゃいないのよ。」
「おい……凪に聞こえる。」
凪…?
あの子は凪って言うの?
親なのに…
平然とそんな事言えちゃうんだ。
『間違ってる。』
「誰!!?」
『貴方達おかしい!!』
「何よこの子供は!!」
『凪ちゃんの事知らない!だけど分かるよ!!』
僕は凪ちゃんのお母さんに少し触れた。
「触らないで!!汚らわしい…!!」
『貴方達二人共…凪ちゃんとの記憶がないわ。』
「「…!!」」
『血の繋がってない父親は仕事仕事…母親も同じく。しかも凪ちゃんを嫌ってる………こんな酷い話なんてないよ!!!』
「黙れ!!お前になんの関係があるんだって言うんだ!!」
『親に捨てられたから言うんだよ!!』
僕がそう言えば二人は複雑そうな表情をした。
そして、父親の方は電話が掛かって会社に戻り、母親の方も知らん振りをして病院から出ていった。
『酷い……ひどいよ…。』
大人はそうだ。
自分の都合が悪くなったらすぐ子供を捨てる。
子供の事なんか考えずに…
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