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『僕も…』
外に出たいな…
なんて呟いてみた。
それは僕が一番望む事で
一番無理な事
「クフフ……。」
『∑誰…!!??』
普段開かない僕の病室のドアがいつの間にか開いていた。
「クローム…いえ、凪を助けてくれてありがとうございます。」
『え…?凪ちゃん?』
「僕は凪の兄とでも言って置きましょうか…とにかく、貴女には感謝しています。」
『えと…。』
「ああ、突然で困りますよね。」
凪ちゃんのお兄さんは僕の手を取ってキスをした。
『…!!そんな事したら病気が…!!』
「お嬢さん…いえ、樹奈。僕と一緒に外に出ませんか?」
『なんで…僕の名前…?あと…僕は……外に出られないの…。』
「僕が出してあげますよ。」
『え…?』
僕の心の中は期待で一杯だ。
だけど不安の方が大きい。
「僕と一緒に来ませんか?」
『………うん…。』
気が付いたら凪ちゃんのお兄さんから差し出された手を取っていた。
外の世界への期待と不安は僕の身体に満ちた
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