その名を冠するに相応しいものの慣れの果て。

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提案したのは愛理。 もちろんそんな会は建前だ。ただ、彼が訪れるきっかけになればいい。 自分の気持ちも、未来も、まだわからないけれど… 『…あそこまで露骨に砂糖をいれられると…なんだか…美味しいって言わせてみたいって思っちゃうわ。』 一口飲んだ時の彼の苦い顔を思い出して、愛理が「よし」と気合いをいれる。 …段々目的と手段がすりかわっているが、来たる日の為に買ったコーヒー豆やフレーバーを抱えた愛理は…立ち止まった。 「…………?」 ゴトリ、という音が聞こえた気がしたのだ。 自分以外誰もいない、道で。 近くにあるのは立ち並ぶ家とその壁と電信柱に…ポリバケツ。 「ポリバケツ?」 妙だわ、と愛理は思った。 この近くに自動販売機の類やゴミ捨て場も収集所もないのにどうしてポリバケツが一つだけあるのだろう。 ガタッ!! 「!?」
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