紅湖と申します

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その浮遊体の老婆は 氷山へ来ると 人間という物体が行う祀り事を始めた 私は間の間に目を閉じ舞を始めた 老婆は私に唱えた 「私は人間として生きていますが困り事があり浮遊して参り あなた様を見付けました ・・・その七つに光る尾を持つ 尾狐様 ・・・紅湖様ですな?」 何故私の名を知っておるのだ? この老婆もしや・・・ いや・・・ そんな事 あの御方がなさるだろうか はて・・・ 私を知る者は人間ではただ独りしかいない筈 この私を 紅湖と名付けたあの雪の乙女しか居らぬ しかし乙女は寿命に従い人間としては居らぬ 「・・・乙女よ転生しても女に生まれ寿命に従い歩んできたか」 乙女は続けた 「御意。 あれから私は修行を積みに重ね 今は槻子と名乗り寿命に従い添う次第であります」 ・・・槻子 覚えておこう
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