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疑う‥訳じゃなかった、ただ信じられなかった。あおいが‥?なぜ‥?携帯はきっと繋がったままだっただろう。終業のベルと幸子のすすり泣く声を背の遠くに感じながら、ただただ無心に家路へと急いだ‥。‥‥おかえりなさい‥‥扉を思いっきり開けた僕の目の前に、エプロン姿にフライ返しを持ってはにかむいつものあおいが『びっくりさせた?あれ冗談冗談。どっきりでしたぁ』って言ってくれるのをまだ僅かにも期待していた。しかし僕の目の前に、警察に囲まれるあおいの身体‥崩れ落ち天を仰いでる幸子の姿、飛び交う死亡‥自殺の声‥‥。腕時計を見つめた僕は動いてる秒針に、現実なんだなと小さなため息をついた。あおいは‥死んだ‥。
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