そのころの未来視の魔眼

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電脳城塞とは、ヒデヲの作り出した造語であり、俗に言うモバゲーとか言う奴だ。 その警備員とはこれまた造語で俗に言う廃人だ。 「……退屈」 「それで俺に何をやらせたいんだ?」 ヒデヲの家から飛び出したノアレの向かった先は二代目聖魔王と成った長谷部翔希の元だった。 長谷部翔希は勇者であり、神器まで持っている。 でも就職浪人(ニート)だ。 勇者といってもそれは魔王等の明確な敵の居る世界でしか役に立たない技能であって、学歴が重視される現代社会において意味のない技能だった。 姉からも毎日のようにニートと呼ばれる日々を過ごしている。 「蒼遊星の暗黒って知ってる?」 「ああ、俺とモバのミニゲーム成績で争ってる奴だろ?」 「あら、でも全部あなたが負けてるじゃない」 「初期のデップとかじゃ負けてねぇ!」 「あれ最高点が決まってるじゃない」 やたらと詳しいノアレに驚く二代目聖魔王。 もういっそこっちに乗り換えたほうが面白いかもしれない。 面白いので更に追い打ちをかける。 「しかも一部のゲームじゃあなた三位よ」 「ばかな!俺と蒼遊星の対決についてくる人間が居るはずがない!!」 みてみるとタックル系やスリップスロープ系、更には他のゲームでも抜かれている。 「馬鹿な!!俺と蒼遊星の対決についてこれる人間が居るはずがない」 「だってそいつ人間じゃ無いもの」 真剣な表情を浮かべる二代目聖魔王。  それを見たノアレは悪戯っぽく笑って見せてからこう言った。 「魔殺商会の魔人、ラトゼリカさんよ」
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