そのころの未来視の魔眼

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都内某所、一見の古いアパートの一室に少女がいた。 ゴシックロリータな黒を基調としたドレスを身にまとった小学生程度の少女であり、なぜか空中を退屈そうに漂っている。 「ヒデヲ、そろそろ仕事の時間よ」 「ノアレ……僕の仕事はもう始まっている………」 「あんたねぇ、一体それの何が仕事なのよ?」 「電脳城塞警備員。素晴らしいじゃないか」 ノアレと呼ばれた少女は深くため息をついた。 彼女は闇そのものであり、ヒデヲを困らせる事が仕事なのだが、今ではそんな仕事もできない。ヒデヲが引きこもったから。 「あのねぇ、ヒデヲを困らせるのが本職の私としてはあなたが外出してくれないと面白くないのよ」 「困るとわかっていて外出する馬鹿はいない……」 正論。 ノアレは一つため息をした後に何か思いついた悪い顔をして外に飛んでいった。
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