二次元の世界

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目を覚ますといつも目の前に広がるのは闇夜に浮かぶ月でもなく、飛び立つカラスでもなく、慣れしたしんだ白い天井。 もう何度目になるだろう、この夢を見たのは。 あの日以来自分の夢に現れ続けた幼き日の家族。 事件直後は毎日のようにうなされたが、最近では見なくなっていた・・・はずだった。 (・・・どこに置いたっけ・・・。) 俺はぐるっと自分の部屋を見渡す 開け放たれたクローゼット。 しみの付いたコタツ机。 開いた形跡のない教科書に埋もれた勉強机。 そして・・・ (あぁ・・・そこか。) 捜し物は、愛用のパソコンの上に鎮座していた。 鎮座していたのは、 NIKEの帽子 俺は起き上がると、いつも通り寝汗で濡れ切ったシャツを脱ぐ。 ・・・鳥の鳴き声が聞こえる。 俺は見慣れた窓をゆっくり押し開く。 流れ込む気持ちいい風。 (・・・顔を洗おう。) 散らかった部屋を出て洗面所に向かう。
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