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「こ…来ないでっ」
これ以上後ろに逃げられないリリは怯えながらポーチをまさぐり、何を思ったのか毒ビンを取り出した。
「ああそうか、その毒ビンを持ってるんだよなあ!!」
彼女が手にした深紫の液体を見れば更に迫り、ついにリリの手を荒々しく掴む。その容赦の無い握力にカラダを硬直させれば、リリは手からビンを滑らせ、そして腰を抜かしたのかその場に腰を落としてしまった。
「おいおい、まだまだ汚し足りないってか。まったく、人間てのはヒドいモンスターだよな」
リリに理解の出来ない言葉をのたまう彼。一方彼女は怯えたように彼の顔……ではなく、もっと下、目の前にあるそれから視線をそらす事でいっぱいだった。
そう、その青年の下腹部で激しく存在を主張している『ドスガレオス』、それが……まあリリが怯える最たるモノであった。
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