第一章~Who am I?~

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……なんだか、不思議な気分だ。 まるで自分という存在が、酷く曖昧に感じられる。 何故か。 自分について、一切を忘れているからだ。 何か手掛かりとなりそうな物と言えば、体くらい。 少しばかり成熟したようすの体。 年は高校生か、その辺りだろう。 とりあえず、この果てしなく広がる草原に、寝転んだ。 かなりの疲労感があるのだ。 痛みとか、そういう感覚ではなく倦怠感。 寝転ぶと、たちまちに体が癒されていくような感覚。 妙に心地よくて、目を閉じた。
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