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西の空が茜色で彩られている。
川面はそれに呼応するかのように、より一層碧さを際立たせていた。
眼下には、色とりどりの船に乗った先輩方が大きな水しぶきを上げながら競争をしている。
他の部活と違い、大自然を相手にしているカヌーは、僕にとっていい知れぬ快感を与えていた。
向こう岸は、寺と、後に広がる広大な森。川沿いは絶壁だ。
淵が碧く深く澄んでいる。
まだ寒い。手が冷たい。カイロを持ってこなかったことを後悔した。
手持ちぶさたの僕は、耳をずっと触っている。
大きな声や、水しぶきの絶え間なく聞こえてくる音に耳を傾けている。
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