TELL ME WHY?

10/35
前へ
/41ページ
次へ
  そして今、あの男と雅が楽しそうに話しているのを見てイライラした。 これは…言わずもがな、嫉妬だろう。 やっと気づけたのはいいんだが、このあとが大事だろう。 それにしても…、あの男は何なんだ。 雅と仲良さそうに話して、馴れ馴れしく名前を呼んで…。 「早くしないと、あの男にとられちゃうよー?」 「うるさい。」 「わかってるくせに…。ん、美味い、これ。」 そんなことはわかっている。 だからこそ、イライラと焦りは募るばかりだ。 どうすれば、これらは消えるのだろうか。 「…龍我ー、1つ言っておくけどさ。」 「…なんだ。」 「あの子、あたしのこと龍我の彼氏だって勘違いしてるかもよー?」 ニヤニヤと笑う従姉妹。 それを聞いてハッとする…が、雅が俺のことを好きだとは確定してないし、弁解したところで変に思われるだけだろう。 無駄にそんなことを考えてしまって、またうなだれる。 「…バカだねぇ、そんなに気持ちが知りたいなら告ればいいじゃない。」 「…簡単に言うな。」 呆れ顔でやれやれ、と呟く従姉妹を睨みつけ、俺はため息をついた。  
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

542人が本棚に入れています
本棚に追加