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お金いらないって…みんなにも持ってっていいなんて…。
ど、どうしたらいいんだろうか…。
「い、いや、お金は払わせてくださいよ…。」
「いいんだよ。試作品だし、俺1人じゃ食べきれないし。」
…じゃあ、甘えてもいいかな…。
いつものことだけど、やっぱり流依さんは優しい。
「じゃ、お言葉に甘えて!!ありがとうございます。」
「うん、じゃあできたら呼ぶよ。」
「はい。」
頭を下げる私の頭をポンと撫で、優しい笑顔を浮かべてキッチンの中に入っていった流依さん。
その後ろ姿をしばらく眺め、キッチンの中が見える場所に椅子を持って行って座った。
台のところに肘をつき、タルトの生地をオーブンから出す流依さんを眺める。
こうして見ると、コック服姿の流依さんはカッコいい。
…まぁ、私服でも充分カッコいいんだけど。
しばらく眺めていると、流依さんが私に気づいてにっこりと笑う。
つられて私も笑顔になってしまった。
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