TELL ME WHY?

15/35
前へ
/41ページ
次へ
  お金いらないって…みんなにも持ってっていいなんて…。 ど、どうしたらいいんだろうか…。 「い、いや、お金は払わせてくださいよ…。」 「いいんだよ。試作品だし、俺1人じゃ食べきれないし。」 …じゃあ、甘えてもいいかな…。 いつものことだけど、やっぱり流依さんは優しい。 「じゃ、お言葉に甘えて!!ありがとうございます。」 「うん、じゃあできたら呼ぶよ。」 「はい。」 頭を下げる私の頭をポンと撫で、優しい笑顔を浮かべてキッチンの中に入っていった流依さん。 その後ろ姿をしばらく眺め、キッチンの中が見える場所に椅子を持って行って座った。 台のところに肘をつき、タルトの生地をオーブンから出す流依さんを眺める。 こうして見ると、コック服姿の流依さんはカッコいい。 …まぁ、私服でも充分カッコいいんだけど。 しばらく眺めていると、流依さんが私に気づいてにっこりと笑う。 つられて私も笑顔になってしまった。  
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

542人が本棚に入れています
本棚に追加