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~龍我side~
この店で雅が働いていたなんて…正直驚いた。
従姉妹にここのケーキが美味しいから、と連れてこられたんだが…。
「流依さん、これどうしますか?」
「あぁ、そこ置いといて。」
…なんか、あの2人…異様に仲がよくないか…?
「龍我ー、眉間にシワよってるよー?」
「あ、あぁ、すまない。」
「言葉遣いも仕事仕様だしぃー。」
「…ごめん。」
次々に従姉妹に指摘され、頬を掻いてため息をつく。
どうしてこんなに、心が乱されるんだ。
やっぱり、俺は…。
「ほぉら、あたしの言った通りでしょおー?」
「…みたいだな…。」
勝ち誇ったように笑う従姉妹に、俺はまたため息をつきながら珈琲を飲む。
実は、なんだか最近…でもないが、雅のことが気になってしょうがないのだ。
それをこの従姉妹に話すと、一言…“恋だね”、で終わってしまった。
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