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ジェボ「さて、ラヴィード坊よぉ。」
マーシャルが出て行ったのを確認すると、ジェボは"親方"としての顔に戻った。
ラヴィード「ん?何だ?」
ジェボ「お前、依頼のドラゴンはどうしたい?」
ラヴィード「あぁ、悪ぃ悪ぃ。ほれ、ちゃんと吸引してるぜ。」
と、ラヴィードは腕に装着したモンスターレコーダーのディスプレイを見せる。
ジェボ「おし。依頼完了だな。んじゃ、これが報酬な。」
確認を受け、ラヴィードは5000ガルドを受け取った。
ラヴィード「おう!サンキュー!」
やはりどんな人間も、現物の金を見ると感情が昂るものである。
言い方は悪いかもだが。
ジェボ「しっかし、お前も大変だなぁ…依頼を成し遂げて、その報酬で暮らしを支えてるってよぉ。」
ラヴィード「あ?何だよ、急に…」
ジェボ「いや、ちょっとな…」
ラヴィード「んだよ、気持ち悪ぃな。ただ、俺はこの生活には満足してるぜ?」
ジェボの心配をよそに、ラヴィードは笑って受け流した。
ジェボ「なら良いんだがよ…」
すると…
バンッ!!
ラヴィード「ん?」
男「たっ…大変ですジェボ親方!!」
勢いよく扉が開き、先程マーシャルを連れて行った1人が焦った表情で現れた。
ジェボ「ん?何だ、どしたぃ?急に慌てふためいてよ…」
男「お…親方に言われて娘の特訓をしていたら…大変な事に…」
ラヴィード「はあっ!?」
ジェボ「なんだとっ!?どういう事だ!!」
嫌な宣告に、2人はつい声を荒げてしまう。
男「わ…わかりません!しかし…これはやはりあの力としか…」
ラヴィード「(あの力…!?)」
ジェボ「何っ!?嬢ちゃんも…力を持っていたのか…!?」
ラヴィードには分からなかったが、ジェボにはそれが何なのかは見当がついている様子。
ラヴィード「お…おい!どういう事だジェボ親方!!」
ジェボ「とりあえず、トレーニングルームへ急ぐぞ!」
ラヴィード「あ…あぁ…」
2人は、急ぎマーシャルのいる部屋まで走った!
ラヴィード「(マーシャル…!)」
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