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序章「空戦にて」
私が嫌いだった任務――それは近接航空支援でした。
私は攻撃機のパイロットではありませんでしたが、攻撃機の数が足りず、戦闘機に機関砲と500ポンド爆弾をくっつけただけで航空支援をしました。
私は見たのです。
しっかりとこの目で。
25ミリの機関砲弾を受けて、ぐちゃぐちゃになっていく人間を――
失禁して逃げて行く敵兵を――
吹き飛んだ腕や足、頭を――
それ以来、私は肉を食べられなくなりました
鳥谷マミ著 台湾事変より
(1992年に起きた台湾戦争に戦闘機パイロットとして参加。最終階級は少尉。戦後、PTSDの為、軍を抜け帰郷し、療養生活を送るも、回復せず自殺)
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