序章「空戦にて」

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自分は操縦桿をおもいっきり引いた。 機体が左に旋回する。 「こちらAWACS(空中管制機)。 最寄りの飛行場より中華民主共和国国防空軍のF-15CHと殲撃十一型が離陸した。 持ちこたえろ」 AWACS(空中管制機)のオペレーターが切迫感を感じさせる声で言った。 中華民主主義共和国とは、2010年に中国で起こった軍事クーデターによって誕生した民主主義国家だ。 北京より東を国土として有している。 そして、F-15CHというのは民主化クーデターの際に中国共産党勢力との戦闘によって多くの主力戦闘機である殲撃十一型(スホーイ27)が失われた為、その穴埋めとして採用されたF-15のC型だ。 以前、アメリカで使用していた機体を付与したものだ。 そして、それと共に来る殲撃十一型(J-11)はソ連の傑作戦闘機であるSU-27の事だ。 J-11はSU-27と同じく大出力の発動機(エンジン)を2つ備え、優れた空力特性を持った機体である。 そのJ-11とF-15は冷戦を代表する戦闘機であり、東西両陣営の戦闘機が同居する東中国空軍は奇妙な雰囲気を放っていた。 「フレア散布」 自分はミサイルを回避するため熱源となるフレアを散布する。 自分の後方で散布したフレアが光を発っし、青い空に太陽を作った。 「ミサイルの回避に成功」 そして、向かって来ていたミサイルはミサイルシーカーがフレアに錯乱され、明後日の方向へ飛んで行った。
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