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刹那、自分のコックピットの近くを何かが高速で通り過ぎた。
それは音速を超える勢いで放たれた機関砲弾だ。
それを見た自分は冷や汗を掻いた。
距離は、そこまで近くはなかったため、キャノピーが割れずに済んだが、もし割れていたかと思うとぞっとする。
「サイレント、振り切れ!」
「了解!」
自分は、後ろの敵を振り切るため、横にジグザグに飛行する戦闘機動であるシザーズを試した。
だが、振り切れない。
敵機は食らいついてくる!
やはり自分はシザーズの名手と言われている日本のユウキとクロベガワと同じ事は出来ないのだ。
自分は舌打ちをした。
だが、万策が尽きたという訳ではない。
ふと自分は、ある賭けをしたくなった。
この機体は後退可変翼機であり、速度が速かった為、後退していた主翼が前に開いていき、急激に機体のスピードが落ちていく。
すると、MIG28は急な減速について行けず自分を追い抜いて前に飛び出した。
ヘルメットに装備されているHMDに表示されるガンレティクルがMIG28を捉える。
そして、それを確認した自分は人差し指でトリガーボタンを押した。
ステルス性を確保する為、機内に格納されていたM61A2バルカン20mmガトリング砲が姿を表し、20ミリの弾丸が発射される。
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