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最近いやに父親節をきかせている彼にバレてしまった日にはどんなことが起こるか分からない。
部屋割りをなかったことにされ小姓も外され、徹底的に土方から離されるだろう。代わりに自分の小姓にしてしまいそうだ。……掃除上手なくせに。
取り敢えず気を反らさせなければ。今後のためにも。
「お、お前っもうちょっと寝てろ!まだ寝てていい時間だろが!」
「あ、もう必要な分は眠ったので平気です。もう眠くありません」
「すげぇなオイ。俺なら堪えきれん」
「ふふふっそういえば土方さん今日は起きてるんですね。どうしちゃったんですか?」
彼女は自分のことを何だと思っているのか。
「今日は何か目が覚めちまってな。眠れないんだ」
偽りなく答えたことを彼は後悔することになる。
「あれ?じゃあ土方さん今まで起きてたんですね。……この手と頬っぺたの違和感は土方さんが?」
しくじった!!
消去法でいけば間違いなくその答えが弾き出されるだろう。気が緩んでいるのか、むしろ緩みきっているのだろう。こんな失敗をしてしまうなんて。
「お……お前の寝相の悪さを俺のせいにするなッ」
「えぇ!?」
咄嗟に出たのは責任転嫁だった。
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