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黒矢の部屋から僕が出るのとちょうど同じタイミングで、隣の部屋から姫ちゃんも出てきた。そしてその後ろには
「あー……おはよう絶ちゃん……」
そう眠たそうに目をこすってるのは双子の妹のその中でも姉という文字表記だと少しばかりややこしい立ち位置にあたる、神田家の次女、神田優姫であった。青色の長髪が寝癖によってピョコピョコ跳ねている。
優ちゃんと姫ちゃんは同じ部屋のため姫ちゃんは彼女を起こす際に一緒に制服に着替えるらしく二人とも制服を着用済みだ。……朝ごはんを食べるときに汚れたらどうするつもりなんだろう(黒矢にも言えることだけど)。
「おはよう、優ちゃん。もう下に朝ごはん作ってあるよ」
「うー………」
「ほらお姉ちゃん。その前に洗面所で寝癖直さなきゃ」
されるがままに優ちゃんは姫ちゃんに手を引かれていった。うん、やっぱり下の子ってしっかりしてるよね。とまぁそんなことを僕が思っていると隣の部屋(まぁ黒矢の部屋なんだけど)のドアが開いた。かと思うと
「でーん! 黒矢さんお着替え終了ーっ! さぁブレックファーストは何処っ!?」
部屋から飛び出した制服姿の黒矢が高らかにそんなことを叫んでいた。
「今年で18かぁ。うん、変わらないのは必ずしも良いことではないんだよ、黒矢」
そろそろ姫ちゃんの爪の垢でも黒矢のご飯に混ぜみようかと、本気で思う朝だった。
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