もう一度君に逢いたい

罠

「ぜってぇお前を一ヶ月で俺のものにしてやる」

その言葉が私のなかで何度も何度も繰り返されていた。

いやだ…いやだ…

絶対あんな奴のものになんかなるもんですか!!

「ねぇあかね。圭くんと何話してきたの？」

教室に戻ってきた私に、マリが一目散に聞いてきた。

「えっ？さっきのがマリが言ってた圭くんなの？」

そういえば、高野圭って言ってたような……。

「そうだよ！いいなぁあかねは、圭くんから呼び出されたこあかねが初めてだよ」

「へー…そうなんだぁ…まりお願いだから高野くんの話やめよ？」

「えっなんで？」

「だってあの人俺様だし、Ｓそうだし…」

「そこがいいんじゃない。…あっそうか、あかねは、Ｓも俺様も嫌いなんだっけ……ごめん」

「ううん。大丈夫だよ。あっ授業始まるから」

「そうだね、私自分の席に戻るね」

「うん」

もう!!
なんなのよ。

もう今日は、高野くんに会いませんように…。

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