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沈黙が漂う部屋のなかに、機械を通した研究員の報告が響いた。
『エナジー充填、上限の120%に到達しました。 放射角度のセッティングも完了。 いつでも放射可能です』
「……よし、決行だ」
目の前に設置されたコントロールパネルのマイクに向かって、ストークスは短い言葉を放つ。
その言葉に誘発されるようにして、研究員が更に慌ただしく動きだす。
それを確認してから、裂矢とストークスもパネルを操作し始めた。
無言。
無声。
再び訪れた、沈黙。
裂矢とストークスが立つ管制室には、最初から流れる機械の駆動音以外には何も響かない。
二人の手の動きがなければ、世界が止まったような錯覚も覚えるだろう。
その沈黙を破ったのは、
『放射開始、五分前』
機械に入力されたアナウンスの音。
『三分前』
「…………もうすぐだ……もうすぐ、俺達の研究は成功する……!」
「……ストークス、あなたは」
ストークスの言葉に、裂矢が何かを言おうとしたときだった。
施設全体に、強い衝撃がはしった。
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