170人が本棚に入れています
本棚に追加
更に彼女は、着ていたワンピースをたくしあげ始めた。
俺が驚いていると、彼女は身体の側面、脚の付け根の少し下辺りを見せた。
その部分は、蛇体と人間の太股にはっきりと分かれていた。
「これで、いいかな?」
「…あぁ」
仮装なら、脚の長さが合わない。
病気にしては、振る舞いが自然過ぎる。
残す可能性は、これが白昼夢である事と、目の前にいるのは、神話上の生物でしかない、ラミアであるということ。
妙に冴えた頭と、変わらない意識、そして変に際立つ心臓の鼓動から、俺は前者の可能性を捨てた。
最初のコメントを投稿しよう!