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「またボクが質問する番だね。それじゃ、弥君の自己紹介をお願いします」
「だから何故初対面のラミアに教えなければならない」
「むしろ初対面だからだよ」
「…分かったよ」
かなり早く、俺は折れた。何だか、断るのも面倒になった。
「如月弥、大学2年生。…典型的社会不適合者だ」
「…へ?」
ぽかん、という擬音が出そうな表情になったリリィ。
…まぁ、無理もないか。
「欠落してんだよ。感情とか、場の空気を読もうとする事とかの、所謂『普通』から、さ」
「へー…あれ、でも何でそのことをボクに教えてくれたの?」
「自己紹介の癖ってのもあるが…人避け。こうすれば皆面妖がって俺に近づかないし、からかう奴がいても無視してれば飽きて離れてく。その為なら、どう思われたって構わないからな」
事実、高校の自己紹介の時間にこう言ったら、目論見通り、孤独な学生生活が送れた。
「…何か、あったの?」
「今度の質問の順はこっちだった筈だが」
「うー…うん…」
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