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「…また、この夢か」
ずっと昔。
俺が6歳位の頃。
前社長の死を契機に、半ば奪い取るように事業を継いだ男は、その金目当てですり寄ってきた女とできちゃった結婚で夫婦になったが、その後、不真面目で傲慢な性格と、金遣いの荒さが経営に響き、倒産。
再就職もしようとせず、家で酒浸りの日々を過ごす。
女の方も、元々男の金にしか興味が無かった為、夫の事を全く気にせず好き勝手に振る舞う日々を送っていた。
…で、事業を潰した男というのが俺の親父で、女がお袋。
その間にできちゃったのが俺、という事になる。
生まれた理由が理由だから、両親は俺に一片の愛情も無いわけで。毎日、毎日、虐待の繰り返しだった。
殺されそうになった日、丁度爺さんが来たから何とか今も生きてるが、正直あのまま死んでもよかったかもしれない。
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