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「今日はもうフリーか…」
そう呟きながら、いつも通り構内を出て、錆が目立ち始めた自転車に跨がる。
そろそろ点検受けないとな、とか、今日の昼飯何にしようか、とか、そんなとりとめもないことを考えながら、ふと思った。
いつ頃だったろうか。
世の中を無味乾燥した物としか
見られなくなったのは。
昔から大人には『冷めたガキ』と言われ、
同い年の奴等には『キモい根暗』と思われてきた。
皆が言うことが分からない訳でもない。
自覚はしている。
自分が、『不良品』で
あるという事。
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