学校

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「ま、これでお前が居候でいる事においての不自然さは無くなった。今回に関しては良くやったよ」 「わーい! 弥君に褒められたー!」 これだけで飛んだり跳ねたりして全身で喜びを表現するリリィ。 全く、気楽な奴だ。 そう思ってリリィを見ていたら、突然その動きを止め、こちらを振り返った。 「あ、そうそう。アルバイトも決めたし、高校の先生に返金免除も出来る奨学金制度を使えるようにしてもらったから、学費とかは大丈夫だよ」 「ん、そうか」 これはちょっと想定外。 使い道の無い貯金を使う時が来たかと思っていたが、 その必要も無くなった。 俺は少し、こいつを馬鹿にし過ぎていたかもしれないな。 「面接受けたらボクの顔見ただけで『採用!』って言われたんだ」 「ちょっと待て」 …バカを雇う奴もバカという事か。
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