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「まぁ、なっちまったもんは仕方ない。なるべく他人にバレないようにしろよ」
「『バレる』っていうようなものでも無いと思うけど」
「何度も言ってるが、俺は面倒事が嫌い。バレたら面倒事になる。つまりバレるのは都合が悪い。だから隠せ」
「うー…うん…」
納得はしていないか。
釘はさしたが、あまり意味は無いかもしれないな。
「全く、学費もう一人分ぐらいだったら俺が払えるってのに面倒事の種増やしやがって…」
「…え、弥君ってそんなにお金持ちなの?」
「金持ちかどうかは知らんが、俺は殆ど金使わないからな。大学からは奨学金出てるし、金のかかる趣味がある訳でも無ければ、家賃も格安。支出より収入が多ければ、自然と貯まる」
「…ボクの学費払えるくらい貯金してるんだ」
「まぁ、7桁あれば足りるだろ」
「7桁…? えっと、一、十、百…わー、すごいねー」
リリィの顔が青くなった。
そして、俺を見る目が普段のキラキラした綺麗な瞳ではなく、死んだ魚のそれのようになった。
…何故だ?
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