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「ごちそうさまでしたっ!」
「はいはい、お粗末様」
今回のリリィの食事、ご飯3杯+照り焼き2皿+味噌汁1杯+胡瓜の漬け物3/4本分也。
多分、それでも腹八分かそれ以下だろうな。
「それにしても弥君凄いねー。何でこんなに美味しい料理作れるの?」
「普通に作れば普通に美味い。ただそれだけだ」
「でもこの照り焼きの焼き加減とか、味噌汁の出汁の風味とか…もうプロ級だよ」
「本物のプロの飯を食ってないから言えるな、それ」
「そうかな? …あ、ボク洗い物やる」
擬態した脚から戻った蛇体を伸ばし、余った部分、つまり地面との接地面の部分をくねらせ、流しへと食器を運ぶリリィ。
…どうにも危なっかしいな。
だが、それは杞憂に終わった。
「流石にこけたりはしなかったか。洗い方は分かるな?」
「うん。洗剤と、スポンジと、ふきんと…よし」
口元にぐっと力を込め、目を見開く。
…嫌な予感がする。
一応、隣に寄ってみると…
「あっ!」
「…っ。もう少し流しに近付いとけ」
「うぅ…ごめんなさい…」
案の定、皿を手から滑らせた。
なんとか、床に落ちる前に俺が掴んだが。
次に何かあったら、俺がやった方が早そうだな。
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