170人が本棚に入れています
本棚に追加
こいつと初めて会ったのは昨年。
どうやってこの大学に入ったのか不思議な位のバカで、最高に面倒臭いバカ。
初対面でいきなり「お前、今日から俺の鬼ダチだ!」と言われた時は、こいつの脳は肥溜めか何かに浸かってるのかと思った。
「どーしちゃったのよ? 何かテンション低いじゃーん?」
だが、こいつにも侮れない所がある。
「俺はいつも通りだ」
正直、こればっかりはどういう事か分からない。
「いや違うね。何だろうな、弥さー…」
こいつは…
「最近、信じられないような出来事とかあっただろ?」
異様なまでに、洞察力が高い。
「別に」
「いーや。弥ってさー、嘘吐く時に必ず早足になるんだよねー」
「講義室に行こうとしてるだけだ」
「ほら! 早足になってる事指摘した途端に早足の理由の説明! 普段なら『別に』で済ませてるのに!」
こうなると竜平は地の果てまで追いかけて来るかもしれない。
かもしれない、というのは、
「…あるにはあった」
毎回早い段階で俺の方が折れるから、実際はどうなのか分からない為である。
最初のコメントを投稿しよう!