学校

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こいつと初めて会ったのは昨年。 どうやってこの大学に入ったのか不思議な位のバカで、最高に面倒臭いバカ。 初対面でいきなり「お前、今日から俺の鬼ダチだ!」と言われた時は、こいつの脳は肥溜めか何かに浸かってるのかと思った。 「どーしちゃったのよ? 何かテンション低いじゃーん?」 だが、こいつにも侮れない所がある。 「俺はいつも通りだ」 正直、こればっかりはどういう事か分からない。 「いや違うね。何だろうな、弥さー…」 こいつは… 「最近、信じられないような出来事とかあっただろ?」 異様なまでに、洞察力が高い。 「別に」 「いーや。弥ってさー、嘘吐く時に必ず早足になるんだよねー」 「講義室に行こうとしてるだけだ」 「ほら! 早足になってる事指摘した途端に早足の理由の説明! 普段なら『別に』で済ませてるのに!」 こうなると竜平は地の果てまで追いかけて来るかもしれない。 かもしれない、というのは、 「…あるにはあった」 毎回早い段階で俺の方が折れるから、実際はどうなのか分からない為である。
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