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「んじゃ、体力補給も兼ねてメシ食いに行こうぜ!」
「俺は帰る」
「ちょーい? なんか予定あるんかー?」
「レポート整理」
「お前の事だ、すぐできるだろ!」
「あぁ、じゃあな」
俺がそう言うと突然、竜平は俺を背負い、街へと走り出した。
「おい、降ろせ」
「だが断る」
「却下。拉致は立派な犯罪だぞ」
「竜平様は治外法権でございます」
「意味分かってないだろ」
「ぶっちゃけ知らん」
…こいつは何時もこうだ。こうなると面倒事は回避不可能。
となれば、面倒さを最小限に抑える、という行動に移るしかない。
「…もういい。街行くから降ろせ」
「了解! 正直俺も若干キツくなってきてた!」
竜平の背中から降り、衣服の乱れを直す。まぁ、これも付き合いってやつか。面倒臭い。
この時の俺は知る由も無かった。
「偶然」の恐ろしさと、これから起こる最大級の面倒事を。
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