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「おい待てリ…美月。お前は何を言ってるんだ」
「弥君酷いよ…ボク弥君の事大好きなのに…」
「いやいや、何故涙目になる」
「ぐすっ…ひぐっ…」
「え、ちょ、おい、美…」
泣き出すリリィ。
余計に状況がおかしな事になってしまったと、俺が困惑していると、突然、右頬に強い衝撃と共に激痛が走った。その勢いで身体が半回転し、地面に倒れ込んだ。
「がっ…!」
咄嗟に身体を庇って、地面に右腕を強く打ちつけてしまい、声を上げる。
鈍痛と共に口内に広がる鉄の味。
どうやら、口の中が切れたらしい。
一体何が起こったのか。
状況を整理しようとする俺の頭に、力強い声が響いた。
「見損なったぞ、弥」
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