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「…ふぇ?」
謎の少女を部屋へ入れて十数分。
レポートの整理をしていた所、リビングから間の抜けた声が聞こえた。
どうやら、意識を取り戻したらしい。
「おはよう」
「え…えと、おはようございます?」
「多分、その返答で問題ない」
状況がよく分からなくて語尾が疑問形になった、という事をわかった上で、少々からかった対応を取ってみる。
…お、笑った。扱いやすいな。
「えっと…どうしましょう?」
「抽象的な質問には相応の答えしか返ってこないぞ?」
「あー…んー…」
口元を手で覆い、身体を前に傾け、言葉の続きを考える。
すると、何かに気付いたような目をして、俺の方を向いた。
「何か食べものありませんか?」
言い終わると同時に、可愛らしい…とはお世辞にも言えない、盛大な腹の虫の音が部屋に響いた。
彼女は顔を赤らめ…る事もなく、「おー、こんな音出るんだ」と自らが発した音に感心していた。
…何だか、毒気抜かれたな。
とりあえず、続きは早目の昼食を摂ってからにしよう。
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