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そして今に至る。
俺がご飯一杯と焼き魚を食べ終わる頃、彼女は三杯目のご飯を完食していた。
「ごちそうさまでしたっ!」
「お粗末様でした」
勢いよく手を合わせて述べられた食事への感謝の意をごく普通に返す。
そしてこの時、あることに気付いた。
初対面。
身元不明(?)。
行き倒れ。
俺は何故、こんな怪しい少女に昼食をご馳走しているのだろう。
事の成り行きというもあるが、それにしてもとりあえず色々とやるべき事はあったはずだ。
一先ず、落ち着いた所で話を切り出す。
「で…誰なんだお前は」
「ボク? …あ、そういえば自己紹介してなかったっけ」
テヘへ、と言いながらはにかむ彼女が次に発した言葉は、俺を凍りつかせるには十分だった。
「ボクはリリィ。リリィ・クラウントルフ・キャスト。見ての通り、ラミアだよ」
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