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しんと静まり返った部屋で、伊波恭はゆっくりと起き上がり、前髪をかきあげた。
うっすらと汗をかいた額が気持ち悪い。
時計は午前3時を過ぎたところ。
真っ暗な部屋のベッドで、恭は頭を抱えた。
毎日がこれの繰り返し。
眠ろうとすれば、いつも悪夢が邪魔をする。
そして、結局は起きてしまう。
一体どうすればいいのかもわからない。
夢を見る度に感じるのは、恐怖と、悲しみと……それから罪悪感。
すべての始まりはは半年前の夏休み。
普段仕事で忙しかった両親が一緒に出掛けようと言ったことで浮かれていた。
今思えば、それがいけなかったのか。
高校2年にもなって、それぐらいで浮かれすぎていた。
思い返す度に、後悔が重くのしかかる。
あの時、自分が出掛けることを拒んでいたら。
そしたら今も――
2人は笑って、傍にいたのだろうか。
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