弐 仕組まれた偶然

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ありがとうの意も込めにっこりと笑って見せると、小太郎もにかっと優しい笑みを見せてくれた。 「・・・あ、またお客様みたい。行ってくるね。」 「おうっ、俺は団子焼いておくから」 「ごめん、よろしくね」 焼きたての団子を片手に、店先へ急いだ。 まだ、他の客もたくさん居たので、少しばかり急ぎ足で店先へ向かった。 「いらっしゃいま・・・」 そこで見たのは、いつかの浅葱色。 昨日のあの男だった。 ・・・――沖田、総司。 団子屋の店先で突っ立っている彼は、私のことを見て目を見開き、驚いていたようだった。 仕組まれたような再会だったが、しょうがない。 はたから見れば、直ぐに分かるような白々しい笑みを浮かべて。 私は彼に礼をした。 「昨日は、本当にありがとう御座いました。」 今、目の前に居るのが、私が憎み続けてきた相手。 握りしめた手のひらに爪が食い込む。
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