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そうな風に呆然として、自分の失敗を悔やんでいれば。
沖田は実に美味しそうに団子を食していた。
そんな彼をじっと見つめながら、思う。
「昨日の表情とは、全然違うんですね」
気が付けばそんな言葉が口から出ていた。
はっと慌てて口元を押さえる。
「悪いが、・・・昨夜の晩のこたぁ忘れてくれ」
沖田は自嘲気味な笑みを浮かべて言葉を繋ぐ。
そして最後の団子を一気に口に入れて、無言で金だけ置いて店を出ていった。
「な、・・・何よ、あの人」
折角の機会をみすみす逃してしまった上に、親交を深めようとした作戦は失敗。
しかも、奴が置いていったお金は足りなかった。
「あの食い逃げ野郎・・・っくそ」
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