壱 月夜の晩

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そして聞こえた叫び声。 それは、死を叫ぶ声。 「うぁぁぁ゙ぁ゙・・・っ!!」 そんな叫び声に、私の体は硬直する。 体が全く動かない、動けない。 そしてただただその様子を時が止まったように、見つめていたと思う。 ―――あぁ、新選組だ。 雲の切れ間に覗く、月明かりに照らされ銀の刃が光る。 浅葱色のだんだら羽織を、冷たい風に靡(なび)かせ。 彼らは、冷たい夜の京都に赤を散らせた。 私を押さえつけた浪士達が、何者かによってどんどんと殺されていく。 それを黙って見ていることしか出来ない。 どんどん冷えていく手のひら。 「・・・」 彼らのその中心で、ひときわ綺麗な剣技を見せる男が居た。 躊躇なく、浪士達を斬り捨てるが時折とても悲しそうな表情を見せる男。 そんな矛盾した面を持つ男に、魅入ったように釘付けになる。 暫くして浪士達が皆、屍と化した時には―――私はすっかりその男を思い出した。
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