イタダキマス

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           ――バキバリッ。ピチャボリッ。グチャクチャ。  ――バキバリッ。ピチャボリッ。グチャクチャ。    『  』は食事を取っていた。  貪る様に、汚ならしく。  『  』の表情からは、口にしている物が美味いのか不味いのかは読み取れない。    ――美味しい?  ――美味しくない?    声にならない声で彼女はそう問い掛けたが『  』は答えない。聴こえていないのか、答える術を持っていないのか。  それを気にする事も無く、彼女は一心不乱に食事を続ける『  』から視線を外し、下半身が在った部分を見つめた。   「……お腹、壊しても知らないんだから」      
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