魔法の言葉～あなたからの贈りもの～Ⅰ(完)

入学式の朝

私のパパ、藤崎仁(ﾌｼﾞｻｷｼﾞﾝ)は、ジュエリー会社『Ａｎｇｅｌ―エンジェル―』の社長で、背が高くて格好良くて凄く優しい。

私のママ、藤崎百合(ﾌｼﾞｻｷﾕﾘ)は、パパの会社でジュエリーデザイナーをしていて、小柄で可愛くて凄く明るい。

お互いの事をとても大切に想っているパパとママは、見ていて恥ずかしくなるくらい仲が良い。

いつか、私も心から大切に想える人と出会えるのかな？

笑顔で楽しそうに話しているパパとママを見ながら色々考えていると、リビングのドアが開く大きな音が部屋の中に響いた。

「杏樹、おはよう!!」

「おはよう!!お兄ちゃん。」

走りながらリビングに入って来たお兄ちゃんは、私を抱き締めて優しく微笑んだ。

私のお兄ちゃん、藤崎玲(ﾌｼﾞｻｷﾚｲ)は大学一年生で、将来パパの会社を継ぐために、大学では経営学を勉強していて、パパに負けないぐらい背が高くて凄く格好良い。

お兄ちゃんは、私に対して過保護すぎる所があって色々困る事もあるけど、大切で大好きなお兄ちゃん。

家族全員が揃って笑顔で挨拶をする朝の光景に、私の心は温かくなった。