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ワイバーン。ドラゴンでなくワイバーンだと確信が持てたのは、ドラゴンが神獣に位置することと、尾の先端にある鋭く、禍々しい棘だろう。その尾はワイバーンの特徴で、強力な毒を持っているのだ。
しかし、ただのワイバーンとはとても思えなかった。他のものと見比べたわけではないしかし、どこか威厳に満ちた姿は、その存在が神獣にも匹敵するのではないかと思わせる。
「ふん、俺が契約を結ぶ相手が現れたか」
重く、体の奥に響くような声。自信に溢れ、しかし傲らず。どれだけの時を生き、どれだけの戦いを経験すればそこに至れるのか。到底その存在を理解することは出来ない。
「名はジーンか。フルネームは……ほう、なるほどな。それで名乗っていないのか」
魔方陣は互いの情報をある程度交換してくれる。それは二人の間に絆が出来た証明でもあるのだ。
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